

美容室で「トリートメントも一緒にいかがですか?」なんてしつこく毎回聞かれる事ってありますよね。
僕はあまり(というかほとんど)サロントリートメントを勧めないですけどね。
理由は単純、
押し売りっぽく思われるのが本当に嫌だから。
でも金銭的に問題がないならぜひ皆さんにサロントリートメントはやってほしいと思っています。
やっぱり「とても効果があるから」です。
キレイで手触りの良い髪を求めるなら是非やってもらいたい。
サロントリートメントについての僕の意見を先に言っちゃうと
- サロンで扱ってる種類によって効果の高いものもあるしそうでもないものもある
- サロントリートメントはかなり効果がある
- でもそれにはいくつか条件がある
- 持ちはダメージレベルとホームケアによって変わる
- サロントリートメントが向いていない人もいる
こんな感じです。
単純に「誰でもサロントリートメントしとけばサラサラ&ツルツル間違いなし!」って感じではないんですよねぇ・・・
今回はサロントリートメントの効果や持ちや注意点についてわかりやすくお話していきます。
僕がサロントリートメントをあまりおすすめしない理由
冒頭にも書いたし、いつもうちのお店に来てくれている方ならわかると思うんですが僕はサロントリートメントを自分からお客さまにおすすめする事はほとんどありません。
なぜか・・・?
1番の理由は
「和漢カラーをしている方が9割以上なので髪が傷んでいる人がいなくなったから」
です。
本当に切実になんとかしてあげなきゃ!という傷んだ髪の人がいないんですよ。
やっぱりアルカリカラーって髪が傷む原因なんだなぁ〜と改めて実感・・・
それ以外の理由は
- 別途料金がかかるから
- それほど持ちがいいわけでもないから(特に傷んでいる場合は)
- ホームケアが適当な人にサロントリートメントをしてもあまり意味がないから
この3つですね。
実際、和漢カラーにトリートメントをプラスするともっともと良い仕上がりになるんだけどなぁ〜
でも+4,000円だし、僕から勧めてしまうと「断る」というストレスをお客さまに与えてしまうし、勧められるのが嫌で「なんかもう行きたくないなぁ〜」と思われるのも・・・
などとあれこれ考えてしまうからやっぱり自分からは勧めないんです。
多分、僕はメンタル的に商売には向いてないんですよね・・・(^_^;)
なんでもゴリゴリ勧めて時には勝手にメニューをプラスしてでも値段を釣り上げてさんざん儲けてる美容師って結構いるみたいですからね・・・
資本主義は変な人間を作り出してしまう事が1番の問題ですよね。
ま、そんな銭ゲバ美容師の話はいいとして・・・、
②と③は同じ事を言っているんですが、簡単に言うとサロントリートメントの効果は自宅でのシャンプーやホームトリートメント、洗い流さないトリートメントや乾かし方といった「その後のケア」で効果や持ちがまるで変わってきてしまうんです。
ぶっちゃけヘアケアの意識がまったく無い人がサロンで1度トリートメントをしたくらいじゃ特に意味がないんですよ。
それならダメージに合ったシャンプーとトリートメントと洗い流さないトリートメントを毎日しっかりとしたほうが100倍髪にはいいです。
100倍はちょっといいすぎたかな・・・
でも10倍良いのは間違いないでしょう。
だから僕はサロントリートメントを勧めるよりも自宅で使うシャンプーは良いものを使うようにと勧めています。
そもそも傷んでしまった髪はもとの健康毛には戻せない
サロントリートメントの話をする前にこれは大前提な話なんですが
傷んだ髪は絶対に元通りな健康毛に回復する事はないです。
僕がもし白魔道士なら呪文で回復も可能かもしれないんですが、残念ながら単なる美容師なので・・・
髪の毛ってどんどん新しく生えてくるけど生えた部分は回復したりする機能はないから傷んだらそれまでなんですね。
できる事といえば疑似的に似たような成分で内部を埋めてあとは表面をコーティングするだけです。
表面をコーティングするのはホームトリートメントでもできる事なんですよ。
シリコンでコーティングさえすれば一時的に手触りは良く感じますからね。
でもそれは単なる応急処置的なもの・・・
髪もやっぱり下地が重要!
ホームトリートメントとサロントリートメントの1番の違いは「下地作り」にあると思います。
例えばマニキュアが剥がれてしまったとしますよね。
ジェルネイルではなく従来の「マニキュア」です。
マニキュアが剥がれてしまった部分に上からマニキュアを重ねて塗ったらなんとなく見た目はよくなりますよね?
これがホームトリートメントのイメージです。
実際にはマニキュアも化粧も車の塗装も「下地」というのが超重要なんですよ。
髪で言うなら、、
- まず余計な被膜を取り除く
- 内部が損傷してスカスカならその部分を埋める
- 傷んで性質が変化してしまっているなら疎水性に戻す
- トリートメントのノリが良くなるように薄く下地(皮膜)を作る
- 最後に好みの質感のトリートメントをのせる
こんな感じの工程。
①〜④までの下地を作る工程がサロントリートメントの特徴です。
この4つの効果がサロントリートメントの最大の魅力でしょう。
下地がキマると化粧のノリもいいですよね?
ペンキが剥がれたところにただ上からペンキを塗ってもだめなんですよ。
下地をきっちりと作り直さないと。
イメージ伝わりました?
毎日家で行ってるトリートメントはシンプルにカチオン界面活性剤でのコーティング作用を繰り返しているだけです。
それはそれで重要なんですけどね。
サロントリートメントといっても本当に色々あるから効果はそれぞれ
とはいえサロントリートメントなんて簡単に言ってもかなりたくさんの種類があるので僕も把握していません・・・(^_^;)
これまでに色々なシステムトリートメントを扱ってきましたが正直「何だこれ・・・」というのもありました。
なにせ髪の傷み方ってそれぞれだから傷み方によって「やった方がいい工程」や「やらない方がいい工程」なんかもでてきますからね。
結構難しいんですよ。
だからきっとカットとかパーマと同じようにトリートメントにも上手い下手がありますよね。
1つだけ確かなのはサロントリートメントといっても色々あるし美容師の知識と技量に左右されるから効果もそれぞれという事ですね。
サロントリートメントの持ちってどのくらい?
サロントリートメントがどれくらい持つのか?
ってすごく難しい質問・・・
すごくわかりやすく言い変えると
「作った下地がどれくらい持つのか?」
という事ですよね。
極端な例え方をするとフェイシャルエステに行った日の夜に間違えて「食器用洗剤」で顔を洗ってしまったらどうですかね?
せっかく整えてもらった肌も台無しですよね。
どんなに贅沢な美容液で保湿しても一瞬で台無し。
それはさすがに極端な例えだけどサロントリートメントの持ちの良さはその後のホームケアでまるで違ってくると思います。
- アルカリ石鹸でゴシゴシ洗う
- プールや海に入る
- 紫外線を浴びまくる
- 高温のアイロンやコテを当てまくる
- ホームトリートメントを全くしない
こんな感じだと1〜2日で効果はなくなるんじゃないかなと。
それからこれも重要な事なんですけど「傷んでる髪ほどサロントリートメントも落ちやすい」という事。
アルカリカラーやパーマでかなり傷んでいるなら1週間くらいで「下地効果」は感じなくなるでしょうね。
なので本当いうと髪の傷みが激しい人は2週に1回くらい下地を作ってあげた方がいいです。
それはさすがにお金が・・・
ってなりませんか?
だから難しいんですよね。
でも実際のはなし傷みがひどい人の場合サロントリートメントをしても1週間〜10日も持てばいいほうなんじゃないでしょうか?
なのでサロントリートメントをするなら普段のヘアケアの意識をもっと高めていかなきゃだめだよね!って話なんですよ。
注意点と持ちを良くするコツ
サロントリートメントの効果を高めるコツは
- 適切なシャンプーとコンディショナーを使う
- 場合によってはさらに適切な洗い流さないトリートメントも使う
- 必ず髪をしっかり乾かす
- プールや海や紫外線を避ける
特にシャンプーですよね。
基本的に傷んでる髪ならシャンプーは洗浄力が強すぎない方がいいです。
かといって弱けれがいいってもんでもないのでホームトリートメントとのバランスが大事ですね。
あとはドライヤーで乾かす時や紫外線からキューティクルを守るためには洗い流さないトリートメントもあったほうがいいです。
でもこれもなんでもいいってもんじゃないかな・・・
下手にギトギトなオイルつけると多分「オイル毛」みたいな変な髪になるので注意です。
僕は軽いオイル系をおすすめしてますね。
あとは寝る前にはしっかりと髪を乾かす事。
これはもう当たり前の事なのでしっかりやってください。
サロントリートメントが向いていない人
サロントリートメントがあきらかに向いていない人っているんですよね。
そういう方にサロントリートメントをオーダーされた場合は一応今回書いたような注意点を説明はするんですけどね・・・
向いてないだけあってそういう人ってんかなか変わらないんですよね。
ひと言でいうと

って感じの人・・・
これ無理なんでほんと断りたいんですよね。
だって3日もトリートメントの効果が持たなそうじゃないですか。
こういう意識が低すぎる人にはやぱりサロントリートメントは向いてないかなぁ・・・と。
しっかりと日々のケアをしつつももう一段上の仕上がりを目指す人にこそやってもらいたいのがサロントリートメントなんですよね。
まとめ
というわけでサロントリートメントについて思うところをつらつらと書いてみました。
- サロントリートメントはダメージ部分を整えて「下地作り」をするもの
- ホームトリートメントは上から皮膜だけしていくもの
という違いがある事は重要ですね。
あとはそれぞれ美容室で扱ってる薬剤も違うし、みなさんのホームケアの意識で効果や持ちはかなり違ってくるものと思っていただければと。
ひたすら強力な被膜をするようなサロントリートメントは逆に髪に悪い場合もありますしね。
結局のところトリートメントって傷んだ髪を治すものじゃなくてキレイに見せるものなんですよ。
それは変わらないでしょう。
だからそもそも傷まないようにするのが大前提。
でも傷んでしまった髪をキレイに見せたり手触りを少しでも回復させる事も重要ですよね。
その為にも髪のコンディションを整えるような下地作りは大事かな〜
と僕は思ってます。
うちに来てる方は是非サロントリートメントもしてみてくださいね\(^o^)/
とさり気なく宣伝もしておきます。
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