リンスとコンディショナーて何がどう違うの?
やっぱりリンスよりもトリートメントを使ったほうがいいの?私に合うのはどっち?
これは良く聞かれる質問です。
実際にはそれ以外にもヘアマスクだとかヘアパックだとか色々あるからより複雑・・・
でも、なんとなくトリートメントが1番良さそうだからみんなトリートメントを使った方がいいのかな?
そう思っていませんか?
ところが必ずしもトリートメントがいいとは限らないんですよね。
ちなみに僕は何もつけていません。
短髪すぎて必要がないからです。*ボウズです
髪質やシャンプーによっては何もつけないという選択肢もありだと思います。
今回はリンス、コンディショナー、トリートメントそれぞれの違いや特徴についてのお話しです
リンスとコンディショナーとトリートメントの違いは?
まずイメージして頂きたいのは
リンス → コンディショナー → トリートメント
という順番で登場してきたという事です.
昔からリンス・コンディショナー・トリートメントという種類があって使い分けされていたわけじゃないんですね。
最初はリンスしか無かったんです。
それで、リンスだと物足りなくなってきたから少しパワーアップした「コンディショナー」が登場しました。
やがてそれでも対応しきれないダメージをなんとかするために「トリートメント」が登場してきたというわけです。
近年でいうと「洗い流さないトリートメント」も随分定着してきましたよね。
僕が美容師になったばかりの頃は洗い流さないトリートメントなんてなかったですからね。
どうなのそのネーミング?
って思いますけど・・・
ともかく流行やおしゃれの変化に伴って髪のコンディショニング剤は進化してきたというわけです。
察しの良い人ならもうリンスやコンディショナーの違いがだいたいわかりましたよね?
「ごめん・・・!全くわからない!続けて!」
それぞれの違いをかなりざっくりと分けてみましょう。
リンス | 表面を軽くコーティング |
---|---|
コンディショナー | リンスよりもしっかりコーティング&少し内部補修したりしなかったり |
トリートメント | 内部補修をしつつ表面をコーティング |
ちょっと正確ではない分け方ですが、あくまでもわかりやすくという事で。
話の途中ですが「リンス」について少し余談があります
少し話がそれますが「リンス」って洗い流すっていう意味なので、例えばアメリカではシャンプーの後につけるコンディショニング剤に「リンス」というものはありません。
基本的に「コンディショナー」なんですよね。
言ってみれば日本で間違えたまま定着しちゃった言い方です。
昔はそれでも良かったかもしれないけどグローバル化が進んだ今となってはなんかちょっと恥ずかしくないですか?
日本のホテルのシャワールームに『シャンプー』と『リンス』のボトルがあったら・・・
逆に考えてみてください。
アメリカで漢字ブームがすごくて何でも漢字の商品だらけだったとしますよね。
そしてニューヨークのホテルに止まってシャワーに入った時に『洗髪』と書いてあるボトルと『流す』と書いてあるボトルがあったら
???ってなりませんか?
下手すると「流す」のボトルの液体でシャンプーを流せって事なのかな?と思っちゃいませんか?
これはまずい。
2020年のオリンピック開催国がこれではますい。
世界中の笑いものになってしまう・・・
でも最近リンスってあんまり見かけなくないですか?
コンディショナーとトリートメントばっかりですよね。
「リンス」という間違えた言い方の商品を業界全体で無かった事にしようとしているのではないか・・・
僕はそう睨んでいます。
なのであえてリンスとコンディショナーの違いは?と言われれば
間違えたカテゴリー名とあとから修正してきたカテゴリー名の違い
と言えるでしょう。
おそらく今後10年以内にリンスは存在しなかった事になるんじゃないのかなと。
むしろ「リンス」はヘアケア部門の伝説のレガシー的存在として・・・
「その話はもういいかな。」
はい、
そういった事も踏まえつつ話をもとに戻します。
流行×シャンプー×コンディショニング剤の簡単な歴史を振り返ってみましょう。
リンスはそもそもシャンプー後のごわつきを改善する為のものだった
「リンス」というのはそもそもの始まりは石鹸でシャンプーした後のゴワゴワとした髪のコンディションを整える為のものです。
髪の毛は弱酸性なんですが石鹸はアルカリ性。
なので石鹸で洗髪すると髪が膨らんでキューティクルも立ち上がってキシキシするんですよね。
それを弱酸性に戻す為にクエン酸を薄めた水溶液ですすいで「リンスして」中和する、いわゆる酸リンスでコンディションを整えたのが始まりです。
シャンプー後の指通りを改善するのがリンスなんですね。
その後1960年頃から液体シャンプーが主流になってきて水に薄めるタイプのリンスから乳化タイプのリンスが一般的になりました。
リンスが改良されてパワーアップして登場した「コンディショナー」
1980年代には聖子ちゃんカットやソバージュが流行しました。
僕が子供の頃です。
5歳くらいの時の写真をみると親戚のお姉さん達は聖子ちゃんカット。
ちなみに母は美容師だったんですが金髪の聖子ちゃんカットでした。
リンスインシャンプーや朝シャンが流行ったのもこの頃です。
ちゃん・リン・シャン♪
懐かしい・・・
ライオンの「ソフトインワン」は薬師丸ひろ子さんのCMで(というよりもそれをパロった山田邦子さんのほうで)かなりインパクトがあったので子供ながらに覚えています。
*うちの母は美容師なのに家ではリンシャンを使用していました。
そして80年代の後半には根本から強めにパーマでウェーブを出すソバージュが流行。
この時、髪のダメージを改善する為に従来のリンスよりももっと髪の手触りを改善する為にパワーアップした「コンディショナー」が登場しておしゃれで傷んだ髪をケアしはじめました。
さらなるダメージに対応するために登場した「トリートメント」
90年代に入ると安室ちゃんブームからハイトーンのヘアカラーブームがいよいよ本格的になると共に、縮毛矯正とヘアカラーによるダメージも本格化。
そこでヘアカラーのアルカリによって流出する髪の内部成分を補う効果のある「トリートメント」の開発が進みます。
コンディショナーよりもさらに高いコーティング力があるので傷んだ髪も手触りを良くする効果がありますよね。
逆にいうと僕のようにパーマもカラーリングもしていない細毛な人が使うとただベタベタするだけのものです。
ぶっちゃけリンスやコンディショナーに明確な違いは無い
リンスとコンディショナーってどう違うの?と考えるのはあまり意味がない事だと思います。
なぜならそこに明確な違いはないから。
「〇〇成分が何%以上配合されるとコンディショナー」
「〇〇成分と〇〇成分が入っていないものはリンス」
といった基準は残念ながらありません。
びっくりするくらい曖昧なんです美容業界って。
新しい製品でトリートメントの他にもダメージの無い人むけに軽いタイプのものを作る時に
「表記はどうしますか?リンスで行きます?コンディショナーでいきます?」
「リンスって響きが古いしコンディショナーのほうが消費者のイメージもよさそうだからコンディショナーでいこうか。」
みたいな感じ。
1つだけ確かなのは「リンスというのは間違えた言い方のまま定着した日本独自なもので外国では通用しない」という事です。
登場した順番から考えると
リンス → シャンプーのごわつきを改善するもの
コンディショナー → カラーリングなどの軽いダメージの手触りを改善するもの
という考え方が一般的だと思います。
トリートメントは自分の髪質やダメージレベルにあったものを選べばOKです
コンディショナーよりもトリートメントのほうが優れているとかそういう話ではなく
自分の髪質やダメージの度合いによって選ぶ事が重要です。
僕のようなペタンコな猫毛ならリンスやコンディショナーくらいの軽さが丁度良いです。
でもカラーリングやパーマで傷んでパサパサしているなら
トリートメントの皮膜感がないと手触りが良くなった感じがしないでしょう。
リンス ・・・ シャンプー後の髪を酸性に戻して少し表面を皮膜する。1番軽い仕上がり
コンディショナー ・・・ リンスを少しパワーアップさせた感じ。そんなに重くない仕上がり
トリートメント ・・・ コンディショナーよりもしっかりと髪をコーティングして内部補修の効果も少しある。1番重い仕上がり、多少ベタつく
こんな感じで覚えておくとわかりやすいと思います。
メーカーによって色々なタイプがあるんだけど要は皮膜成分の濃さが違うというのが1番の違いです。
ありがちなのは細毛で軽いダメージなのに重ためのトリートメントを毎日使うことで
髪がベタベタな感じになってるというケース。
そういった人にはむしろ軽めなコンディショナーの方がおすすめです。
最近は良質でリンス不要なシャンプーも色々とあるので髪が傷んでいない人はそういったシャンプーだけですませるのもありです。
パーマやヘアカラーで傷んでいるなら必ずトリートメントをした方がいいですね。
キューティクルも弱っている場合が多いので洗い流さないトリートでさらに表面を保護する事も忘れずに。
紫外線やドライヤーの熱は傷んでる髪の天敵ですからね。
自分に合った自分好みのタイプを見つけてください。
では、今日はこのへんで。